小説 「ノンフィクション」

これは「小説」の形式で書かれた「ノンフィクション」というタイトルの文章を私が朗読する、という形式の、一種のショウです。「これ」が指す範囲は「これは『小説』の形式で書かれた『ノンフィクション』というタイトルの文章です」から始まる文章に限られ…

戯曲「いいヤクルトと悪いヤクルトがある」

いいヤクルトと悪いヤクルトがある (A、B…男 C…女 0…ナレーション 舞台中央に机がありABが若干斜めに向かい合って座っている。Cは舞台の上手側の端にある椅子に客席の方を向いて座っている。明転。下手から0登場。中央から少し下手側に椅子を置き客席を向…

小説 「熱狂、コメダ珈琲にて」

コメダ珈琲は予想外に混んでいた。そして異様に蒸し暑かった。入り口近くのソファには疲れた表情の男女が黙って座っている。店の奥を覗くと空席が目につくが、店員はみな忙しそうで客を案内しようとしない。ソファの一番手前に腰を掛ける太った中年の女は忙…

コント 「個人的に宇宙」

A.B中央から少し離れて等間隔に立ち、回り出す舞台明転少しして同時に止まり、前を向くA「話しをしよう」B「いいだろう。俺の話を聞いてくれ」A「いいだろう」B「個人的に、と言いたがるやつがいるだろう。個人的にこれ好きですね、とか。個人的にそれは違う…

私の字

歳をとるにつれ八方塞がり感が強くなってきた。俺、年取ったな、という感じだけが強くなり、なにも成長できていないと焦る。そういうの向いてないんだけどな、とよく思うけど今まで自分に向いている何かなんてあっただろうか。どうだろう。言い訳でしかない…

日記。生活について。

今日したこと。今日は悪夢を見て、6時半に目が覚めた。まだ眠かったけど、もう一度眠るのは怖かったので起きた。朝ごはんを食べた。9時半に美容室の予約を取っていたので、それに合わせて家を出た。頭は回っていなかったが、美容師さんとは人並みの会話がで…

左手と、本当の気持ち

ああ俺、けっこう体調悪いな、と認識する時は文字が書けなくなった時だ。文字が書けない、と言っても急に全ての文字が書けなくなるような病的な状態ではない。文章を書いている中で、ある字が急に書けなくなったりするこのが増える、という程度のことだ。普…

ゴミできらめく世界が

毒のない作品はつまらないが、毒の強い作品に触れ過ぎると毒にやられてしまう。毒のない作品はつまらない、とは乱暴すぎる言い方だがそんなことを考えてしまう。我々の側にあるものは綺麗に加工された商品ばかりだ。でもその綺麗さを作っているものは何か考…

流転していくもの

そろそろ髪を切りたい。最後に切ってからもう2ヶ月くらい経ってしまった。最後に切った時はたしか、バイトの勤務初日だった。まだ夏休み中で、秋学期の新しい生活に胸を膨らませていたことを覚えている。今、私は体調を崩し2ヶ月弱でバイトを辞め、新生活は…

錯乱と正気と芸術と

鼻がつまってしまって気分がふさぐ。失くしてからわかる健康の大切さ、なんてフレーズ、聞き飽きてるけどその通りですね。ベッドに横になってスマホを左手に持ち、思いついたことをそのまま打ち込んでいる。これは坂口恭平さんの影響。彼は躁鬱病で、気分が…

my face in pictures

人は中身だってよく言うけど、その人のあり方は年をとると顔に出てくるように感じる。私が年をとって、偏見のコレクションがたまってきたせいなのか。わからない、難しい。私はどんな顔をしているんだろう。鏡に映った私の顔はそれほど悪くないように見える…